ゴミ屋敷対策の信用性
日本ではおびただしいレジ袋がごみになり、しかも排出量はまだ増加の一途だ。
そこで、レジ袋をなんとか減らそうと「マイバッグ運動」のとり組みがある。
その効果を検証してみたい。
レジ袋は家庭ごみ中に容積で7.3%を占めるため、マイバッグを持ち、レジ袋を断るだけでたちまち7.3%もごみを減らせる。
デパートなどがくれる紙袋も断れば、家庭ごみは10%くらい減るはず。
レジ袋の原料となるプラスチック(ポリエチレン)や紙袋の紙を生産するエネルギーと、袋に加工するときの所要エネルギーを足し、さらに、製品自体の持つ化学エネルギー(燃焼時に出るエネルギー)も加えて、袋製品にひそむ総エネルギーをはじき出す。
マイバッグ(布袋)についても同じ計算をして、右で算出したレジ袋と紙袋の総エネルギーから布袋分を差し引けば、マイバッグ持参により削減できるエネルギー量がわかる。
その結果を見ると、一年間に資源(廃棄物)を38万トン、エネルギーを6.8兆キロカロリーも減らせる。
エネルギーを石油に換算した7.4億L(200Lのドラム缶378万本)は、家庭の総消費エネルギーの1.3%にあたる。
また、二酸化炭素の削減量では、炭素の重さにして年に55万6000トン減ることになるいま私たち日本人は、少なくみても年に300億枚のレジ袋と28億枚の紙袋を使い捨てている。
みんなが布製のマイバッグを持ち、それを5年に一度買い換えるなら年間2400万枚ですむ。
布袋一枚あたり、レジ袋150枚と紙袋128枚がいらなくなるのだ。
容器・包装材と資源・エネルギー暮らしに深く浸透している使い捨て容器・包装材につき、資源・エネルギー問題も眺めておきたい。
汎用材料の紙やプラスチック、ガラスでできた製品のうち、容器・包装材はじつに40〜70%を占める。
いかに大量の資源が容器・包装材用に消費されていることか。
大半を占める食品用包装材について、原料の製造エネルギーを算出したものである。
日本人ひとり一日あたり、原料の製造だけで2550キロカロリーを消費し、容器・包装品に加工する分を足せば3060キロカロリーとなる。
いま日本人ひとり一日の食料供給は2600キロカロリーだから、なんと、そういう食品を入れる容器・包装材に消費するエネルギーのほうが大きいのだ。
私たちが簡単に使い捨てているトレイやペットボトルなど容器・包装材が、いかに資源やエネルギーの無駄づかいになっているか、こうした数字から一目瞭然だろう。
日本ではアルミ飲料缶の生産量がどんどん伸び、1995年には159億個以上にのぼった(2001年は174億個)。
アルミニウムは電気のかたまりみたいなものだというが、これはどのアルミ缶を製造するのに電力をいくら消費したのだろうか?アルミの地金1トンをつくるには、一万5000皿(キロワット時)の電力を使う。
159億缶(26万トン)の製造につぎこんだ約40億は、30万世帯の年間消費電力にあたる。
だがそれで驚いてはいけない。
その飲料缶を売る自動販売機も、莫大な電力を消費するのだ。
いま日本には約250万台(15世帯あたり一台)もの飲料自販機がある。
昨今はますます大型化し、消費電力700〜800W(ワット)はざらで、ものによってはかなりの量を超す。
コールド用とホット用が年がら年じゅう動いている。
少なめに600W、稼働率30%として250万台分の1となり、これはアルミ缶の生産に使った電力とほぼ等しい。
要するに自販機は「自動漏電機」のようなもの。
私たちが自販機のアルミ缶入りコーラを飲んでポイッと捨てるために、100万級の原子力発電所一基を動かしている計算になる。
買い物すれば必ずついてくるトレイやレジ袋も「ただ」ではなく、一個4〜5円はする。
そのまま食卓に乗せられるきれいな模様つきトレイなどは15円もするし、飲料缶やペットボトルも一個30〜40円かかっている。
ごみに出したら、さらにごみ処理代がかかってしまう。
だから、食品や飲料を買ったとき私たちが払うのは、けっして中身の値段ではない。
容器・包装材をつくるのにかかった経費と、ごみ処理費までも負担しているのだ。
食品や飲料を保存し、運搬するのに容器・包装材は欠かせないというけれど、そもそも、中身を摂取するためにこれはどの容器・包装材が必要なのかを、よくよく考えるべきだろ飲料だけみても、アメリカ人はひとり一日に1.8Lとり、その76%はコーラ、ビール、ジュースなど容器入り有料飲料だという。
日本でも、ひとり一日あたり1.5Lとる水の45%までが有料飲料となって、その割合はこのところ増え続けている。
水道水がまずいからと、ペットボトル入りミネラルウォーターしか飲まない人もいる。
そんなわけでいま日本では、各種飲料容器の消費量は年間710億本になった。
国民ひとり日に15本ずつ、何かの飲料容器を買っていることになる。
利便さ・快適さを求める現代人のライフスタイルが、こうした容器・包装廃棄物問題を生み、解決をはばむ障害にもなっているといえよう。
トイレットペーパーとティッシュペーパーいまトイレットペーパーやティッシュペーパーは暮らしの必需品に思えても、大量に使い始めたのはかなり最近のこと。
生産統計から見た生産量の動きが、急増のありさまをよく物語る。
トイレットペーパーの年間消費量は94.5万トンで、国民ひとりが年に7.5s(日に9m)を使う。
また、このところ年率5.8%で伸びている。
かたやティッシュペーパーの年間消費量は56万トン(2001年)。
国民ひとりあたりにした4sは、アメリカの1.5sをはるかに超え、世界トップの消費量を誇る。
こうした紙製品の使い捨てぶりを諸国と比べたG。
トイレットペーパーも多いけれど、なんといってもティッシュペーパーの多さには驚く。
ダントツの世界一位である。
なぜ日本人はこれほどティッシュペーパーを使うのか?もちろん「きれい好き」で、いろんな用途にティッシュペーパーを使うライフスタイルもあるだろうが、やはり製品が安く、先進諸国の半値以下だというところが大きい。
手軽で安いから消費量が増えるのは自然だとしても、消費に伴う環境負荷やごみ処理費の増加は大問題だろう。
かつて日本人は、布のふきんやハンカチを何度も洗って使った。
私の計算では、テーブルを拭くのにティッシュペーパーを使えば、布ふきんを使うのに比べて環境負荷は2.2倍、原材料コストは3.4倍になる。
いくら古紙のリサイクル品だといっても、これではどうしようもない。
紙おむつ紙おむつも消費量が増えてきた。
生産量は近ごろ横ばい気味だとはいえ、年間34万トン(75億枚)にものぼる。
少子化か進んで消費量も減るかと思いきや、高齢化が進んだせいで大人用紙おむつが増えているからだ。
使用後はむろんごみになる。
その多さは、やはり京都市の「家庭ごみ細組成調査」でよくわかる。
若い世帯の多い中高層住宅地区に子供用が多く、老人世帯の多い町屋地区に大人用が多いのは予想どおり。
紙おむつは容積でごみ全体の4.6%を占め、重さでは(水分を含んで重いため)9.6%も占める。
けっして無視できる存在ではないし、急増を続けている。
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